FileZilla


  1. FileZillaとは?概要と特徴
  2. FileZillaのメリット・デメリット
  3. インストールと初期設定
  4. 基本操作:アップロード・ダウンロード
  5. サイトマネージャー設定と複数接続の管理
  6. 大容量ファイル転送とResume機能
  7. 文字化け対策・文字コード設定
  8. 共用サーバー特有の注意
  9. よくあるトラブルと対処法
  10. まとめと参考リンク

1. FileZillaとは?概要と特徴

FileZillaは、Windows、macOS、Linuxなど複数のOSに対応するオープンソースのFTPクライアントです。無料で利用でき、世界中で非常に多くのユーザーに支持されています。
共用レンタルサーバーでファイルを管理する際、もっともスタンダードな選択肢のひとつと言えるでしょう。

  • 開発元: FileZilla Project
  • 対応プロトコル: FTP、FTPS、SFTP
  • 配布形態: 無料(オープンソース、GPLライセンス)
  • 主な特徴:
    • 2ペイン形式(ローカル側とリモート側が左右に並ぶUI)
    • 転送途中の「Resume機能」
    • サイトマネージャーで複数接続先を管理
    • 大容量ファイル対応 & タイムアウト設定の調整可

2. FileZillaのメリット・デメリット

2.1 メリット

  1. 高い汎用性 & マルチプラットフォーム
    Windows・macOS・LinuxなどOSを問わず動作し、チームで異なるOSを使っていても操作感を統一しやすい。
  2. オープンソースの安心感
    コミュニティが活発で、セキュリティ面の問題が発覚した場合も素早いアップデートが期待できる。
  3. Resume機能・キュー管理が充実
    大容量ファイルを転送中に中断されても、途中から再開する機能がある。キュー管理画面で進捗やエラーが一覧できて便利。
  4. SFTP / FTPSサポート
    平文のFTPではなく暗号化された接続が可能なため、共用サーバーでも安全なファイル転送を実現しやすい。

2.2 デメリット

  1. インストール時の余計なソフト同梱に注意
    公式サイトからダウンロードすれば問題ないが、不正なミラーサイトを利用するとアドウェアなどが混入している場合がある。必ず正規経路で入手を推奨。
  2. UI表示が情報過多に感じる場合
    転送ログやステータス、キューが画面下部に常時表示され、最初は戸惑う人も。ただし慣れれば作業効率が高い。
  3. Windows版の自動更新に注意
    アップデート時に別のダウンロード先へ誘導されることがあるので、環境によっては手動で更新したほうが安全。

3. インストールと初期設定

3.1 ダウンロード

  • 公式サイト: FileZilla公式
  • Windows版の場合: filezilla_setup.exe などの名称の実行ファイルを取得。
  • macOS版の場合: .dmg ファイルをマウントしてドラッグインストール。

3.2 インストールの流れ(Windows例)

  1. インストーラー起動
    • ダウンロードした .exe ファイルをダブルクリック。
  2. ライセンス確認
    • GPLライセンスの同意画面が表示。内容を確認して進む。
  3. コンポーネント選択
    • 通常は「スタートメニューにショートカットを追加」などを有効にしておけばOK。
  4. インストール完了
    • 数十秒~数分で完了し、「Finish」で終了。
  5. 初回起動
    • 一般的に英語UIで起動するが、[Edit] → [Settings] → [Language] から日本語化が可能。

3.3 アップデート方法

  • 自動アップデート
    • 立ち上げ時に「最新版があるかチェックする」設定をオンにしておくと、更新情報があればダイアログが出る。
  • 手動アップデート
    • 公式サイトから最新バージョンをダウンロードし、上書きインストールする方法もある。

4. 基本操作:アップロード・ダウンロード

4.1 UI概要

  • 左ペイン(ローカル): 自分のPC内のフォルダ・ファイルが表示される。
  • 右ペイン(リモート): サーバー側のディレクトリツリーとファイル一覧。
  • 下部パネル: 転送キュー、成功ログ、失敗ログなどが一覧化され、現在の進捗が一目で分かる。

4.2 接続手順(簡易)

  1. ホスト、ユーザー名、パスワード、ポートを上部クイックコネクトバーに入力。
    • 例:ホスト名 = example.com, ユーザー = username, パス = *****, ポート = 22 (SFTPの場合)
  2. 「クイック接続」ボタンをクリック。
  3. 初回接続時のホストキー警告
    • SFTP利用時に初めてサーバーへ接続する場合、ホストキーの指紋が表示されるので確認して「OK」。
  4. リモートディレクトリへ移動
    • public_html/www/ など、Web公開フォルダに移動して作業する。

4.3 アップロード/ダウンロード

  • ドラッグ&ドロップ
    • ローカルからリモートへドラッグ → アップロード
    • リモートからローカルへドラッグ → ダウンロード
  • 右クリックメニュー
    • 「アップロード」「ダウンロード」を明示的に選択することも可能。
  • 転送モード
    • [転送 → 転送モード] で「Auto / Binary / ASCII」を選べる。通常は Auto で問題ない。

5. サイトマネージャー設定と複数接続の管理

5.1 サイトマネージャーとは

  • 複数のサーバー情報(ホスト名、ポート、認証方式など)を一括管理する機能。
  • 頻繁に異なるプロジェクトやサーバーに接続する場合、**「サイト」**として保存しておくと、ワンクリックでログインできて便利。

5.2 設定手順

  1. [ファイル] → [サイトマネージャー] を開く
  2. 「新しいサイト」ボタンをクリックし、ホスト名やポート番号、プロトコル(SFTP/FTPS/FTP)を指定。
  3. ログオンの種類
    • 「通常」を選ぶと、ユーザー名とパスワードを保存可。
    • 「キー認証」(SFTP)を使う場合は、SSHキーのパスを指定し、パスフレーズを登録することも可能。
  4. OKを押して保存
    • 次回以降、サイトマネージャー画面から対象サーバーを選択すれば、自動的に接続を試行してくれる。

5.3 複数接続(タブ管理)

  • FileZillaでは、タブ形式で別サーバーを同時に開くことはできないが、別ウィンドウを立ち上げることで複数サーバーに同時接続が可能。
  • 大量のアップロードが走っている間に別サーバーにも接続したい場合は、新規ウィンドウを立ち上げ、追加の作業を進める。

6. 大容量ファイル転送とResume機能

6.1 大容量ファイルアップロードの流れ

  1. アップロード先のフォルダ確認
    • public_html/ など正しいディレクトリに配置する。誤ってシステムフォルダに上書きしないよう注意。
  2. アップロード開始
    • ドラッグ&ドロップで転送キューに入り、画面下で進捗を確認。
  3. タイムアウト対策
    • [編集 → 設定 → 接続 → タイムアウト] で秒数を延ばし、切断エラーを減らす。
  4. Resume(再開)機能
    • 中断しても、次回アップロード時に「同名ファイルが既に存在します。再開しますか?」などのダイアログが出る場合がある。OKを押せば途中から続行できる。(サーバーが対応している場合)

6.2 分割アップロードや圧縮ファイル

  • ツールで分割
    • 7-Zip、WinRARなどでファイルを複数に分割してからアップロード。
  • サーバー側で解凍・結合
    • SSHがない共用サーバーの場合は、コントロールパネルでの解凍機能を使う。
  • 夜間や早朝の利用
    • 回線混雑を避けてトラブルを減らすテクニックとして有効。

7. 文字化け対策・文字コード設定

日本語ファイル名Shift-JISで保存されたHTMLファイルをアップロードする際に文字化けが起きる場合があります。

  • [編集 → 設定 → 転送 → 文字エンコーディング] から「自動検出」または「UTF-8を強制」を選ぶとトラブルが減る。
  • Webサーバー側でも、.htaccessやPHPの設定などで文字コードの扱いが影響するため、テスト環境で動作確認するのがおすすめ。

8. 共用サーバー特有の注意点

  1. 接続制限や同時転送数
    • 共用サーバーによっては同時接続数に制限があり、一度に大量のファイルを並列アップロードすると切断される可能性がある。
    • [編集 → 設定 → 転送 → 同時転送数] を2~3程度に落として試すと安定しやすい。
  2. ディスク容量やCPUリソースの上限
    • 大容量ファイル転送時には、ディスク容量残りを事前にチェックし、残量不足を回避。
    • CPU負荷がかかる解凍作業(パネル経由など)は、サーバー側のリソースが限られているため、エラーになる可能性も。
  3. SFTP利用時のキー認証
    • SSHアクセスを許可しているプランでのみ有効。パスワードを含めず鍵認証を行うと、セキュリティを高められる。

9. よくあるトラブルと対処法

  1. 「Connection refused」エラー
    • ポート番号やプロトコル設定(FTP vs SFTP vs FTPS)が間違っているケース。
    • または共用サーバーがメンテナンス中の可能性も考慮。
  2. 「緊急停止」や「Timed out」
    • ファイルサイズが大きすぎる、回線が不安定、またはサーバーのアイドルタイムが短い。
    • タイムアウト秒数を延長して再挑戦。
  3. 文字化け(Shift-JISのファイル名)
    • FileZillaの文字コード設定を「UTF-8優先」にしていないと、ファイル名に「????.html」のようなトラブルが発生。
  4. アップロード完了後にウェブ表示が404
    • アップロードしたディレクトリがWeb公開領域(public_html など)ではない可能性。フォルダ構成を再チェック。

10. まとめと参考リンク

  • FileZillaは、豊富な機能・高い汎用性を備えた無料FTPクライアントで、共用レンタルサーバーとの相性も良く、多くのユーザーに支持されています。
  • Resume機能やSFTP接続など、セキュリティ面や大容量ファイル対策に優れているため、日常的なサイト更新やコンテンツ管理には最適。
  • 文字コード設定や同時転送数の調整など、共用サーバーでの運用特有の注意点を押さえておけば、トラブルを最小限に抑えられます。

参考リンク

免責事項
本記事の情報は、作成時点におけるFileZillaの仕様をもとにまとめています。バージョン更新やサーバー環境により、一部の手順や画面表示が異なる場合があります。最終的なご利用は自己責任で行ってください。

上部へスクロール