以下では、WinSCP 6.5 を利用している際によく寄せられる質問をQ&A形式でまとめます。接続やファイル表示の不具合から便利なショートカットキーまで、トラブルシューティングや日々の操作に役立ててください。
1. 接続できない場合のチェックリスト
2. ファイルやディレクトリが表示されない場合
3. ショートカットキー・使い方のちょっとしたコツ
4. まとめ
1. 接続できない場合のチェックリスト
Q1. WinSCPでサーバーに接続しようとしてもエラーが出ます。まずどこを確認すればよいですか?
- A1. 以下の項目をチェックしてみてください。
- ホスト名やドメイン名
- スペルミス、入力間違いはないか?
- 例:
example.com
→exmaple.com
などの誤入力をしていないか。
- プロトコルとポート番号
- SFTPなら通常 ポート22、FTPなら ポート21 など。
- SCPを使用する場合も22番ポートが一般的だが、稀にカスタムポートを設定しているサーバーもあるのでサーバー情報を再確認する。
- ユーザー名・パスワード
- 全角・半角の混同や不要なスペースが入っていないか。
- 大文字小文字の区別にも注意。
- SSHキー認証の設定
- 秘密鍵ファイルのパスやパスフレーズが正しいか、サーバー側の
authorized_keys
が問題ないかを確認。 - 初心者はまずパスワード認証でテスト接続する方法も有効。
- 秘密鍵ファイルのパスやパスフレーズが正しいか、サーバー側の
- ファイアウォール/ウイルス対策ソフトの干渉
- セキュリティソフトや企業内ネットワークの設定が、WinSCPの通信を遮断していないか。
- 一時的にセキュリティソフトをオフにしてテストする、もしくは例外設定にWinSCPを追加する。
- サーバー側の稼働状況や利用プラン
- サーバーがメンテナンス中またはダウンしていないか。
- レンタルサーバーによっては「SSH接続」が上位プランのみの対応ということもあるので要確認。
2. ファイルやディレクトリが表示されない場合
Q1. 接続はできているのに、サーバー上のファイルが一覧に出てこないのはなぜ?
- A1. 以下の可能性があります。
- アクセス権限の問題
- ログインユーザーが、サーバーの特定ディレクトリにアクセスする権限を持っていない場合、ファイル一覧が表示されないことがあります。
cd /home/username/public_html
など、権限のあるディレクトリへ移動してみる。
- WinSCPの表示設定やフィルタ
- WinSCPには「Hidden files(隠しファイル)を表示する/しない」の設定があります。
.htaccess
など「ドットファイル」は、デフォルトで表示されない場合があるので、[表示] → [表示オプション] → [隠しファイルを表示] をチェック。
- 同名ファイルやパスの指定間違い
- 接続直後のデフォルトディレクトリと、実際にファイルがあるディレクトリが異なるケース。
- 例:
/
(ルート) に何も置いていないため「空」に見える。ただし/var/www/html/
に実際のファイルがある、など。
- シンボリックリンクが解決されていない
- 一部サーバーではシンボリックリンクを介してファイルを配置していることがあります。リンク先が正しく設定されていないと、WinSCPで閲覧できない場合があるため、サーバー管理者に確認する。
3. ショートカットキー・使い方のちょっとしたコツ
Q1. WinSCPで作業効率を上げる便利なショートカットはありますか?
- A1. よく使われるショートカットをピックアップしました(コマンダー形式の場合)。
- F2 / Rename
- 選択中のファイルやフォルダの名前を変更できます。
- F5 / Copy (アップロード or ダウンロード)
- コマンダー形式で、ローカル側からサーバー側へのアップロードやサーバー側からローカル側へのダウンロードを実行。
- F6 / Move (移動)
- 選択したファイルを移動させる際に使用します(基本的にコマンダー形式で有効)。
- F7 / Create Directory
- 新しいフォルダを作成。
- Delete キー
- 選択したファイルやフォルダを削除。
- 誤削除防止のため、確認ダイアログを有効にしておくと安心。
- Ctrl + Shift + N (エクスプローラ形式で新規フォルダ作成)
- エクスプローラ形式のウィンドウで新しいフォルダを作成します。
- Alt + P (キーボードを隠すなどの機能)
- ショートカットによっては一部UI要素の表示切り替えが可能。具体的にはWinSCPのショートカット一覧を参照。
ヒント: ショートカットは [Options] → [Preferences] → [Commander/Interface] から確認・編集できます。自分好みにカスタマイズすると作業が捗ります。
Q2. 画面レイアウトを最適化して、もっと操作しやすくできますか?
- A2. 以下の設定を試してください。
- ペインの位置・幅を調整
- コマンダー形式の場合、左(ローカル)と右(リモート)のペインの幅をドラッグで変更すると見やすくなります。
- ツールバーやステータスバーの表示切り替え
- 使わない機能のボタンを非表示にして、画面をスッキリさせる。
- エクスプローラ形式とコマンダー形式を切り替えてみる
- 大量のファイル操作をするならコマンダー形式が効率的、シンプルな操作ならエクスプローラ形式がわかりやすい。
- ペインの位置・幅を調整
Q3. 内蔵エディタや外部エディタを使いたいのですが、設定方法は?
- A3. 下記手順で設定できます。
- [Options] → [Preferences] → [Editors] に進む。
- 「追加(Add)」からテキストエディタ(例: Notepad++, Visual Studio Code)の実行ファイルを登録。
- 拡張子やファイルタイプに応じて外部エディタを割り当てることが可能。
- ファイルを右クリックして「編集(Edit)」を選ぶと、指定したエディタが起動し、保存するとサーバーに自動で反映される。
4. まとめ
- 接続トラブル時は、ホスト名・ポート・ユーザー名・認証方法などを再チェックし、ファイアウォール設定やサーバーの稼働状況を含めて確認します。
- ファイルが表示されない場合は、権限設定やWinSCPのフィルタ、ディレクトリ指定の間違いがないかを見直すと解決できることが多いです。
- ショートカットキーやレイアウト設定を活用すると、WinSCPでのファイル操作が格段にスピードアップします。
- 外部エディタ連携やエクスプローラ/コマンダー形式の使い分けなど、ちょっとしたカスタマイズで使い勝手が大きく向上するので、ぜひ色々と試してみてください。
これらのFAQを参考に、WinSCPをより快適かつ効率的に使用していただければ幸いです。